撮影機材のいろいろ②
- HAL
- 2020年5月28日
- 読了時間: 7分
更新日:2021年2月4日
お疲れ様です、映像班のHALです。
前回から『演奏動画を撮影する』ことを目的に絞った撮影機材に関するお話をHALの主観からさせていただいています。
今回は「今さら聞けないカメラのあれこれ」というテーマでカメラに関する用語なんかのお話をしたいと思います。
知ってることや知らないこと、色々あるかと思います。
もしかしたら「聞いたことはあるけど、それをちゃんと説明しろと言われると困るかも」って感じの言葉もあるでしょうから、これを機に覚えていただけるとうれしいです。
もしかしたら知っていることでスマホでの撮影ですら役に立つことはあるかも知れません。
※あくまで『演奏動画を撮影する』という観点から解説しますので、セオリーとは違った内容のことが書いてあるかも知れません。
「これはこうじゃないの?」と疑問に思われる事がありましたら、コメント欄にて教えて下さい。
・『画素数』について
『画素数』、おそらく皆さん聞いたことはありますよね。デジタルカメラの性能を表す数字の1つで、「1000万画素」だとか「1000万ピクセル(10メガピクセル)」なんて表現、耳にするかと思います。

最近のカメラなら大体『1200~2400万画素』のカメラが多いようですが、画素数が多い(=高解像度の)カメラほど画質の良いカメラか、というとそうでもありません。
むしろ意外かもしれませんが「高解像度のカメラほど画質は落ちる」傾向にあります。
※一応僕はこの理由もちゃんと理論的には説明しろと言われたら出来ますが、この説明をするとメッチャクチャ長くなる上、小難しくて大半の人にとっては面白くない話になると思いますので、今回は省略します。
詳しく知りたい方は僕に直接聞くか、ググるなどしてください。
一応、比較の参考として、2020年5月時点での現行モデルから一眼レフのハイエンド機や、コンデジのエントリーモデルの画素数を載せておきます。
EOS-1D X Mark III(Canon / 2020年 2月14日 発売)
2020年5月時点での最安値は761,000円
画素数:2140万画素

FUJIFILM XF10(富士フィルム / 2018年 8月23日 発売)
2020年5月時点での最安値は40,039円
画素数:2424万画素

このように、価格が約1/20のXF10の方が画素数が多い、という事もあるのです。
・『4K』について
『4K』、テレビでも4K対応のものが増えてきましたし、さすがに言葉自体を聞いたことないよ!って方はあまりいらっしゃらないかとは思いますが。
さて、じゃあこの『4K』、【4】って何でしょうか?【K】って?
4Kが増えてきたとは言え、現在の映像の企画で一番多いのはFullHD(フルハイビジョン)でしょう。FullHDは1920×1080というサイズです。
つまり解像度に直すと1920×1080=2073600、おおよそ200万画素という事ですね。
対して4Kは横縦がFullHDの2倍、つまり3840×2160というサイズです。
これは解像度の面積的には3840×2160=8294400、おおよそ800万画素と約4倍に相当します。
ここまでで、勘の良い方はピンと来たかも知れませんが、4Kの言葉の由来はサイズの「横3840」から来ています。
つまり4Kとは「(横3840でだいたい)4キロ(≒4000)」という意味です。
この言葉が生まれて以降、FullHDのことを2Kと表現することもあります。あまり聞き馴染みがないかも知れないですが…

・『FPS』について
『FPS』とは?映画に詳しい方ならもしかしたら知ってらっしゃる方もいらっしゃるでしょう。
Frames Per Secondの頭文字で、1秒間に何フレームあるのか?という意味です。
近年のTV番組やYouTubeなどの動画では一般的には30fps(1秒間に30枚の写真が収まっている)というのが多く、映画作品などでは24fpsというのが多いです。
この数字が大きくなれば(60fpsなどに)、より滑らかな動画になるという事ですね。
そういった意味では、動画というのは、連続した写真を超高速(1秒間に30枚など)で見る紙芝居とかパラパラ漫画のようにしたものと言えますね。
動画撮影においては次に出てくるシャッタースピードとも密接な関係があります。
・『シャッタースピード』について
デジタルカメラにおけるシャッタースピードとは、カメラのシャッターが開いている時間のことです。
※スピードと表現していますが速度ではありません。
カメラのシャッターが開いている間はイメージセンサーに光が当たります。
ゆっくりシャッターが閉じられる=シャッターが開いている時間が長く、
イメージセンサーに光が当たる時間が長い状態のことを「シャッタースピードが遅い」
素早くシャッターが閉じられる=シャッターが開いている時間が短く、
イメージセンサーに光が当たる時間が短い状態のことを「シャッタースピードが速い」と表現します。
静止画の撮影の場合はシャッタースピードが遅いと、シャッターが開いている間に動いた被写体の軌跡が写り込みます。これがいわゆる「ブレ」です。
ブレた写真を失敗とする場合もありますが、ブレをうまく使うことによって躍動感を表現することもできます。
シャッタースピードが速いとそのようなブレがなく、
まるで止まっているかのように一瞬を切り取った写真になります。

動画では、動く被写体を滑らかに撮影するためにシャッタースピードに制限を設けています。この制限に「フレームレート(=FPS)」が関係しています。
適切なシャッタースピードというのはフレームレートによって決まり、具体的には、1秒をフレームレートの2倍で割った数値程度が良いとされています。
上でも触れましたが、多くの動画では30fpsとなっています。なので1/60秒という事ですね。これ以上シャッタースピードを遅くすると1秒に対して30枚のコマが用意できず、カクカクとした不自然な動画になってしまうのです。
ではシャッタースピードを上げれば上げるほど滑らかな映像になるのか?というとそうでもありません。
動画はコマ送り撮影で想像できるような「静止画の連続」からできています。
適度なシャッタースピードで撮影した動画は、1枚1枚のコマ画像に被写体の「ブレ」が写り込みます。
この「ブレ」が画像を自然につなぎ、滑らかな映像を作ります。
シャッタースピードが速すぎると、1枚1枚のコマ画像に被写体の「ブレ」が写らず、こちらも不自然な動画になってしまうのです。

・『絞り』について
絞りとは、レンズから入る光の量を調整する部分です。下の写真ように、レンズの中に備わっていて、穴の大きさを変えることで取り込む光の量を調整しています。

絞りの大きさの違いからくる、カメラに取り込む光の量を数値化したものがF値です。F値は、F2、F2.8、F4、F5.6、F8…のように基準となる値が決まっています。
F値を大きくすると絞りが絞られてレンズを通る光の量が少なくなり、F値を小さくすると絞りが開きレンズを通る光の量は多くなります。例えばF8からF5.6に絞りを変化させると、光の量は2倍になります。同じ条件でF値のみを変えて撮影した場合、シャッター速度を2倍速くしても、同じ量の光をカメラ内に取り込むことができます。
一般的に、F値を小さくすればするほど多く光を取り込むことができますが、レンズごとにF値の最小値は決まっています。これをレンズの『絞り開放値』といいます。
・『イメージセンサー』について
『イメージセンサー』、別名で撮像素子と言いますが、聞いたことはありますでしょうか?
これは現在のデジタルカメラにはまず間違いなく付いている部品です。皆さんのスマホのカメラにも付いています。
レンズを通して入ってきた光から画像を作り出す、というのがカメラの仕組みです。つまり、デジタルカメラにおいてイメージセンサーとは光をデジタルデータに変換する役割を持っています。昔のフィルム式カメラのフィルムの部分に相当します。
まあフィルム式カメラで例えられてもピンと来ない世代の方のほうが多いかも知れませんが…(人間の眼で言うところの網膜に相当する、という風にも例えられます、こちらの方がわかりやすいでしょうか?)
実はこのイメージセンサーがデジタルカメラの画質に大きく影響します。
フィルム式カメラの時代でもより大きなフィルムを使ったほうが画質の良い写真が撮れるとされてきました。
要はよりたくさんの光をよりたくさんの面積で受けるほうが写真はきれいに撮れるからです。
イメージセンサーにはその大きさの規格があり、
【フルサイズ】
【APS-C】
【フォーサーズ(4/3型)】
そしてそれ以下のサイズは【〇型】と表されます。多くのコンパクトデジタルカメラには【1/2.3型】というサイズのイメージセンサーが搭載されています。
最近のiPhone(5s・6・7・8・Xなど)には【1/3型】というイメージセンサーが付いています。

よりたくさんの面積で受ける、という部分において、種類によってはこんなに差がある、という事です。
どうでしたか?
色々な用語が出てきて「なんじゃあ!?」ってなった方もいらっしゃるかも知れませんね。
もちろんスマホで写真や動画を撮るうえで、これらを知らなくたって撮影することは可能ですが、今の世の中、動画のアップロードが当たり前になってきていますので、こういったことにも少し興味を持っていただけたらなと思います。
今回はこの辺りで。次回はHALがおすすめするカメラの選定基準についてお話してみます。
それではまた。
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